映画応援団「シネマエール東北」 - 東北に映画を届けよう!プロジェクト

各年度の報告

■ 2014年07月10日(木)

2013年度活動報告


映画を届けることで、映画を愛する世界中の人々が、被災地を見守っているということを被災地の皆さんに伝えていきたいという思いからスタートした「シネマエール東北 東北に映画を届けよう!プロジェクト」。

2014年5月まで丸3年間、活動を続けることができました。
これまで、さまざまな形でご支援くださいました皆様に、心より、お礼を申し上げます。

震災から3年以上が経ち、避難所はすでになく、多くの人が仮設住宅を出て新しい生活を始めています。様々な問題をはらみつつも復興計画がつくられ、大規模工事がいたるところで進められています。あの甚大な被害を数年で解消することは不可能でしょう。人口の流出も続いています。けれど、震災後に支援活動で被災地に入り、現在も活動を続けている人たち、その地にとどまることを決めた人もいます。彼らと地域の人たちの間に生まれた新しいつながり、復興計画の中には書かれていないところで、何かが生まれている、そんな可能性を感じることもできます。

シネマエール東北もいましばらく、この地にとどまり、地域の人たちとともに活動を続けたいと考えています。

シネマエール東北は、被災地での上映活動としては他に類をみない規模で活動を続けてきました。他の上映活動が終了していく中で、シネマエール東北が活動を続けられるのは、官民を問わない多くの方々のご支援によるものであり、また、岩手、宮城、福島の担当者、私たち自身が、確かな手ごたえを感じることができているからです。シネマエール東北の活動は、単なる「支援」の時期を越えて、新しい「創造」のときを迎えている、そんなやりがいと責任を感じています。

シネマエール東北としては、5年間を一区切りと考え、あと2年間活動を続ける中で、シネマエール東北の"子どもたち"を三陸沿岸部に育てたいと思っています。シネマエール東北の活動が終わっても、映画が残っていくように、全力で活動を続けたいと思います。

これからも、ご支援をよろしくお願いいたします。

-2013年度も多くの上映会を実施することができました!  

2013年4月~2014年3月の1年間で、岩手、宮城、福島を中心に99回の上映会を開催、約6250人の方に映画を届けました。
2011年6月からの約3年間ではのべ約500回の上映会を実施、約2万2000人の方々に映画を楽しんでいただくことができました。
上映会の様子は、シネマエール東北のウェブサイトwww.cinema-yell-tohoku.com でみていただくことができます。

-上映会を開催した市町村

2013年度は、下記の22の市町村で上映会を開催しました。

岩手県:岩泉町、大槌町、大船渡市、釜石市、田野畑村、野田村、普代村、宮古市、陸前高田市、山田町
宮城県:石巻市、女川町、気仙沼市、東松島市、南三陸町、亘理町
福島県:相馬市、伊達市、福島市、南相馬市、三春町、(山形市)


-上映した作品

今年度、上映した作品の数は40作品を越えました。
2013年度も、松竹株式会社、東宝株式会社、東映株式会社、角川書店から無償で作品(DVD)をご提供いただきました。これらの作品を中心に、上映する会場の状況、参加者の年齢層や希望に応じて、いろいろな映画を上映することができました。
また、2013年度は、日本アカデミー賞協会のご協力・ご支援を得て、第36回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した3作品(『桐島部活やめるってよ』『おおかみこどもの雨と雪』『最強のふたり』)の上映も行うことができ、新しい映画を楽しんでいただくことができました。
さらに、今年度もポケモン映画製作委員会「ピカチュウプロジェクト」によるポケモン最新作の上映に協力、『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ「神速のゲノセクト ミュウツー覚醒」』を12会場で上映、多くの子どもたちに喜んでもらうことができました。


-新しい上映の拠点、スタッフも育っています。

3年目となった「シネマエール東北」では、三陸沿岸部に新しい上映の拠点をつくること、地域の人たち自身が上映会を企画・運営に携わることにも力を注ぎました。
2012年にはじまったふたつの上映「みやこほっこり映画祭」と「ISHINOMAKI金曜映画館」は2年目を迎え、若いスタッフも育ち始めています。

●岩手県宮古市 みやこほっこり映画祭
http://www.hokkori385.com/%E3%81%BF%E3%82%84%E3%81%93%E3%81%BB%E3%81%A3%E3%81%93%E3%82%8A%E6%98%A0%E7%94%BB%E7%A5%AD/宮城県

●石巻市 ISHINOMAKI金曜映画館
http://www.facebook.com/kinyoueigakan.ishinomaki 
シネマエール東北を契機に製作された、南相馬・原町区にある築90年の映画館"朝日座"をめぐるドキュメンタリー映画『ASAHIZA 人間は、どこへいく』が、2013年秋に完成、山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映されました。これから、全国で上映します。


-ご支援、ご協力ありがとうございます!
 
活動を開始してから2014年3月末までに、170件(個人、団体を含む)を越える方々から、約800万円の募金をいただきました。協同組合俳優連合様からは、チャリティイベントで得られた収益から160万円をシネマエール東北にご寄附いただきました。また、今年度も東京国際映画祭から多くの募金が寄せられています。2013年度も芸術文化振興基金、ニューヨークのジャパン・ソサエティから助成をいただきました。

共催者である東日本映画上映協議会の構成メンバー、日本映像職能連合(映職連)の方たちは、2013年度も映画館「みやこシネマリーン」と「一関シネプラザ」で上映会を開催しました。『麻雀放浪記』『野菊の墓』を上映、ゲストとして崔洋一、澤井信一郎、緒方明の3人の監督が来場、大いに盛り上がりました。
ほかにも映画に関わる多くの人たちが、「シネマエール東北」を支えてくれています。


-これから

シネマエール東北では、2014年度も、仮設住宅の集会所等における社会福祉事業的上映を継続しながら、文化事業の復活を支援する上映にも力点を置き、映画の力で多様な側面から被災地を支援し続けたいと考えています。
特に、これからの活動では、岩手県宮古市、釜石市、宮城県石巻市などを拠点に、同地域で活動する団体とともに、映画上映を軸とした文化事業を継続的に実施することができる「場」つくることを目標に事業を企画・実施したいと考えています。


シネマエール東北の活動は、皆様からのご支援に支えられています。
もうしばらく、シネマエール東北の活動が続けられるように、

これからも、ご支援、ご協力をよろしくお願いいたします!


シネマエール東北主催者一同
一般社団法人コミュニティシネマセンター


-掲載記事

●「被災地で無料上映 櫛桁さんら奨励賞」(朝日新聞2月28日)

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●「生きていくための光」 (高知新聞2013年7月8日)

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●「金曜映画館 老若男女でいっぱい」(石巻かほく2014年2月2日)

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●2013年7月6日『どこまでもいこう』上映会 記事 (石巻かほく 7月1日)

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●2014年1月25日『謝罪の王様』上映会 記事(石巻かほく1月18日)

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●「被災地の映画館応援 日本俳優連合 宮古訪れ義援金」(岩手日報2012年12月23日)

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●「シネマの灯 きっと守る」(みやこシネマリーン関連記事)(日経新聞2014年3月9日)

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