映画応援団「シネマエール東北」 - 東北に映画を届けよう!プロジェクト

上映会レポート

■ 2012年06月16日(土)

福島県相馬市応急仮設住宅柚木団地サポートセンター / 大野台団地サポートセンター

2012年6月16日(土)
10:00~相馬市応急仮設住宅柚木団地サポートセンター
14:00~相馬市応急仮設住宅大野台団地サポートセンター
作品:男はつらいよ 柴又より愛をこめて  作品提供:松竹株式会社
参加者:計41人


薄曇りの山形市内を発ち、峠を越え、福島県内に入ると小雨がパラつき始めました。

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この日は相馬市の2ヶ所の仮設住宅を渡り歩きます。午前は柚木応急仮設住宅団地内サポートセンター、午後からは大野台応急仮設住宅サポートセンターでの上映です

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現地で待ち合わせをしたダイナムの方たちに手伝っていただきながら、スクリーン設置からはじめました。

外は本格的に雨が降り始めたので、機材の搬入も接点を濡らさないように注意して行います。
悪天候もあって、皆さん集まっていただけるか心配でしたが、センターに併設されたお風呂に参れた方々がちらほらと顔を見せ、時間になると続々と集まってきてくださいました。

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ダイナムのみなさんに配っていただいたお菓子を片手に、会場となった60畳ほどの和室の中では、そこここで世間話に花が咲いています。
仮設住宅で窮屈な暮らしをせざるを得ない皆さんには、こうして寄り集まって、普段の何気ない話をし合う場が大事なのかもしれないと、ふとそんな感慨がわきました。

映画が始まると、寅さんの一挙手一投足に笑いが巻き起こります。
そして映画が終盤にさしかかると、会場内がしんみりとした空気に包まれ、じっとスクリーンに見入る皆さんの眼差しの穏やかさに、こちらまで癒された気持ちになりました。

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上映後には「心が明るくなりました」、「人生にも元気を頂きました」、「笑いあり、涙ありの映画、ありがとう」など、私たちの方こそ感謝したくなるようなお声を沢山いただきました。
口々に映画の感想を言いながら会場を後にしていく皆さんの元気な後ろ姿が印象的でした。

この日、訪れた仮設住宅団地は1,000戸を超えるマンモス団地でしたが、何軒かでリードにつないで猫を飼っているお宅を見かけました。

あの震災の日以来、愛猫や愛犬と離れ離れになったままという方が数多くいらっしゃるとお聞きした中で、仮設とはいえ、こうして一緒に暮らせている方もいることを知って、少しだけ救われた気になり、雨に濡れそぼる仮設団地を後にしました。

シネマエール東北 福島県担当 日下部克喜

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