映画応援団「シネマエール東北」 - 東北に映画を届けよう!プロジェクト

上映会レポート

■ 2014年12月18日(木)

『ペコロスの母に会いに行く』網地島上映レポート

2014年12月9日(火)
宮城県石巻市網地島(あじしま) 長渡(ふたわたし)公民館
9:30〜 『ペコロスの母に会いに行く』

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 石巻市からフェリーで一時間余りのところに網地島はあります。東には金華山、西には猫の聖地として有名な田代島があり、島民は現在413人です。学校は島にないので子どもたち(小学生は2人)は船で石巻に通っています。若い人は少なく高齢者の多い島になっていますが、明るく元気な皆さんです。3.11で大きな被害を受けて島を出た人も多い中で、自然豊かな島には少しづつですが移住して来る若い人が増えているそうです。
 上映会場は、島の南部の高台にある長渡公民館。広くはない敷地の一角に非常時に備えて灯油のドラム缶がたくさん並んでいました。
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 なぜこの島で『ペコロス』を上映することになったのか?ひとつは、夏に催した東松島市(石巻市の隣町)での上映会を島に住むミッケルソン美智枝さんが新聞やポスターで知ったこと。彼女は廃校になった網地小学校の校舎を再利用して開設されている島で唯一の診療所「網小医院」の看護師さんでした。そして偶然にも昨年度、網小医院が作成した認知症予防のリーフレットに『ペコロス』の原作者である岡野雄一さんからイラストを描いてもらっていたことです。認知症をテーマにした映画と認知症予防のリーフレットがここでひとつに繋がり、上映会への動きが始まりました。
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 実現のためには様々な方々のご協力がありました。島に毎月通っている東京都健康長寿医療センタ−の粟田先生には上映に引き続きお話をしていただき、経費の一部もご支援いただきました。映画配給会社「東風」には島の状況をご理解いただいたことも大きな後押しとなりました。広報や周知においては医療や保健に日々関わって活動されている方々のご尽力もあり、結果的に小さな島の大きな上映会(総人口の15%が観た)になったのです。
 残念ながら私たちは帰りのフェリーの時間もあり最後までいることはできませんでしたが、スタッフの皆さんと粟田先生のお話はその後も続き、とても充実した一日になったそうです。今度は夏祭りに野外上映をしたいというご希望もありましたので、ぜひ再訪してお手伝いしたいと思います。こうした地域や島にこそ映画を届けるのが私たちの活動の一環だとも考えているからです。
 最後になりますが、この上映会を企画いただいた網小医院の皆さんや医療・保健関係者の皆さん、そして上映会にご参加いただいた島民の皆さんに心からお礼申し上げます。
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(シネマエール東北 宮沢啓)

ー主催ー
シネマエール東北(一般社団法人コミュニティシネマセンター)
手から手へTT網地島(て〜て〜あじしま)
ー共催ー
東日本映画上映協議会
NPO法人山形国際ドキュメンタリー映画祭
山形県映画センター/フォーラムネットワーク
ー推薦ー
公益法人宮城看護協会
公益社団法人宮城県医師会
社会福祉法人宮城県社会福祉協議会
--後援--
石巻市
網小医院
ー特別協力ー
公益財団法人ユニジャパン/東京国際映画祭
ー協力-
ISHINOMAKI金曜映画館
宮城県映画協会
NPO法人ジャパン・フィルム・コミッション
公益社団法人宮城県精神保健福祉協会心のケアセンタ−石巻地域センタ−
-支援-
芸術文化振興基金
ジャパン・ソサエティ(ニューヨーク)
東京都健康長寿医療センタ−

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